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高温戻し

高温戻し

全自動仕組装置
高温戻しを行う代表的な理由は「PVDの前処理」「硬度調整」「靭性の更なる向上」が挙げられます。
当社は鋼材1つ1つの材質、大きさ、重量、質量、高温戻しを行う目的によって、1つ1つの鋼材に最適な高温戻しを行うことを大切にしております。
処理温度は5℃単位、処理時間は10分単位で微調整を行う事で、より繊細で上質なご納品を可能にしております。
このような微調整により、鋼材の寸法調整技術が当社の特長の1つにございます。
熱処理を施すと鋼材は必ず変寸を起こします。
細かな処理温度の調整と処理時間の管理を行うことで、お客様のご要望に合わせて変寸をコントロールすることが可能です。焼入れによって鋼の硬さを増大させることが出来る一方で、そのままでは靭性が低下してしまい、割れなどが生じやすい非常に脆い状態になります。
その為、靭性を回復させて粘り強さを得るために、焼入れ後には焼き戻しを行うことが一般であり、焼入れと焼き戻しはワンセットで行うことが基本です。
焼き戻しには「低温戻し」と「高温戻し」の2種類があります。
当社では、低温戻し・高温戻しのどちらの処理も選択可能ではございますが、基本的には低温戻しで処理を致します。
鋼材の後工程やその後の使用状況に応じて低温戻し・高温戻しの使い分けが必要になります。そのようなお客様のご要望に合わせ高温戻しの処理も日々行っております。
当社の特徴としまして、高温戻しは真空炉で行うことを基本としておりますので、鋼材の外観が美しいまま保たれます。
鋼材の形状や重量、求められる温度によっては無酸化炉を使用することもあるため、その場合は酸化膜によって鋼材の外観は着色を帯びます。

※寸法調整について

お客様からお寄せ頂くご要望について、ほとんどのケースにお応えすることができておりますが、稀に当社の技術を持ってしても対応できない変寸が起きる場合もございます。鋼材は1つ1つが生き物のように全く違う変化を起こします。時にはわたくし共の予想を超える動きや、初見の変化を起こす場合もあります。常に最善を尽くして熱処理を行っておりますが、ご希望にお応えできない場合も稀にございますので、予めご理解頂きますようお願い申し上げます。

※処理後の硬度優先でご依頼頂く際の注意点

2次硬化する鋼において250℃の低温戻しと、520℃の高温戻しでは、ほぼ同じ硬さを得ることができます。図面上でご指定の硬度がある場合、硬さを指定範囲に入れる事はとても重要な事ですが、上記にもあるように鋼の使用目的理由を明確にしなければ、耐熱性を期待した調質であるのにも関わらず、低温戻しになってしまう可能性もゼロではありません。焼き戻し温度の選択には鋼材の使用目的が強く影響しますので、ご依頼頂く際には注意が必要です。

例:二次硬化する鋼材でHRC60を求められている場合
焼入れ+低温戻し ⇒ HRC60
焼入れ+高温戻し ⇒ HRC60 共にHRC60の硬さを得ることができます。
後工程にPVD処理がある場合を例として考えてみます。
硬度指定のみでご依頼頂いてしまうと、当社は低温戻しで処理を行うことになってしまいます。その結果HRC60という硬さは得たものの、PVDの前処理としては不適切な戻し温度のため、PVD処理後に鋼材は変寸、変形を起こします。

こういったトラブルを事前に防ぐ為にも、ご依頼いただく際には出来る限りの情報を頂けますと幸いでございます。お客様からお寄せ頂くご要望について、ほとんどのケースにお応えすることができておりますが、稀に当社の技術を持ってしても対応できない変寸が起きる場合もございます。鋼材は1つ1つが生き物のように全く違う変化を起こします。時にはわたくし共の予想を超える動きや、初見の変化を起こす場合もあります。常に最善を尽くして熱処理を行っておりますが、ご希望にお応えできない場合も稀にございますので、予めご理解頂きますようお願い申し上げます。
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