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ソルトバス焼入れ代替処理

ソルトバス焼入れ代替処理(真空熱処理)

ソルトバス焼入れ代替処理を研究開発いたしました

真空焼入れ
ソルトバス焼入れ代替処理を研究開発いたしました。(2025年)

2020年頃より、複数の会社様よりソルトバス焼入れ代替処理のご相談を頂いておりました。
ソルトバスは高い硬度を実現できる優秀な熱処理方法の1つであり、なかなか直ぐに代替処理のご提案ができる状況ではありませんでした。
当時(2020年)より当社独自に研究開発を重ね、この度、ソルトバス焼入れと同等、もしくはそれ以上の性能を引き出す熱処理法を研究開発いたしました。(2025年現在特定の材質のみ開発)

1. ソルトバス焼入れとは

ソルトバス焼入れ(塩浴焼入れ)は、溶融塩を加熱媒体とし、鋼材を均一に急冷できる古くからの熱処理方法です。
SK材・工具鋼・バネ鋼など幅広い材料に使用され、均一な冷却による低歪み・高硬度が得られる優れた熱処理技術です。


2. ソルトバス焼入れの特長(メリット)

① 冷却速度が速く、硬度が出やすい

溶融塩がワーク全体に密着し、空気や油よりも熱伝達が良いため、高い硬度が得やすい。

 ② 温度ムラが少なく、寸法のばらつきが小さい

均一な加熱・冷却により、反り・歪みの発生が比較的小さい。

③ 複雑形状でも均一な処理が可能

細孔・形状の入り組んだ部品でも、塩が隅々まで回り、均一な熱処理がしやすい。


3. ソルトバス焼入れの今後の懸念点(デメリット)

 ① 設備の老朽化とメーカー撤退

ソルトバス装置は維持が難しく、製造メーカーが徐々に撤退しており、
「修理できない」「代替部品がない」という問題が全国的に増えています。

 ② 作業環境面のリスク

溶融塩の飛散、皮膚や眼への危険性、塩の廃棄処理など、
安全衛生管理の負荷が非常に大きい。

 ③ 塩の管理・交換コスト

塩浴材の管理、劣化、交換のたびに大きなコストが発生。
環境対応としての廃液処理も難しく、費用も増加傾向。

 ④ 規制強化と環境対応

世界的に環境負荷低減の流れが強まり、
ソルトバス処理は臭気・排水・廃棄物などの環境負荷が指摘されています。
今後、規制による事業継続リスクが高まる可能性があります。


4. 今後ソルトバスは減少方向へ

上記の理由から、ソルトバス焼入れは全国的に設備を縮小・廃止する企業が増加しています。
特に自動車関連の金型メーカー様・部品メーカー様からご相談頂いている問題は④の規制強化と環境対応についてです。
ソルトバス焼入れ は優れた熱処理技術である反面、環境負荷が指摘されていることから、ソルトバス焼入れ同等の処理をできないか?という相談を多く頂いている現状がございます。


5. 代替処理として注目される 「真空熱処理」

ソルトバスを廃止するメーカーが増える中、
歪みが少なく、環境に優しい真空熱処理が代替技術として急速に広がっています。

真空熱処理のメリット

  • 無酸化・クリーン:スケールゼロで後処理が不要

  • 安定品質:炉内の雰囲気・温度が非常に安定

  • 反り・歪みが小さい

  • 材料研究が進み、SKD11・SKD61・SUS440Cなど高硬度材でも高品質

  • 省エネ・環境負荷の低減

しかし、SKD11やSK3、SKH(ハイス鋼)等と同じ条件で真空熱処理を行っても、ソルトバス同等の性能を引き出すことは出来ない場合が多くございます。
そこで当社では2020年より、熱処理条件変更を重ねに重ね、試作を行ってまいりました。
その結果、一部の鋼種に対してソルトバス焼入れ同等、もしくはそれ以上の性能を引き出す真空熱処理法を開発いたしました。


6. ソルトバス焼入れからの切替をご検討中のメーカー様へ

「これまでソルトバスだった部品を真空熱処理に変えたい」
「サプライヤーがソルトバス設備をやめると言っている」
「真空にしたときの硬度・歪み・持ちはどうか?」
などのご相談が大変増えています。


当社にご相談頂けましたら、ソルトバス焼入れの代替処理として最適な真空熱処理条件をご提案します。
(現在研究開発済みの鋼種に限ります)


現段階で最適な熱処理方法が確立されていない鋼種については、2020年より培った経験を元に最適な熱処理条件を導き出せるようにまずは研究からはじめさせて頂きます。お困りのお客様と一緒に併走しながら最適な熱処理を開発させて頂きます。

また、熱処理後に更なる付加価値をお求めになられる場合も合わせてご提案が可能です。
(例えば、熱処理後に表面処理を行う(PVD、メッキ、ショットピーニングやWPCなどの表面改質、窒化、その他特殊表面処理 など)




- 真空熱処理とは -
真空炉を使用して真空状態で加熱した後、ガス、油で急冷する熱処理のことです。
鋼の金属組織をオーステナイト組織になるまで加熱した後に急冷してマルテンサイト組織を得る熱処理を一般的に「焼入れ」と言いますが、この焼入れの工程を真空状態で処理することを差します。
真空炉の使用により酸素の排除によって鋼材の酸化や脱炭を防止すると同時に、焼入れの効果によって鋼材を硬くして、耐摩耗性や引張強さ疲労強度を向上させることができます。
処理中に空気が入る(鋼材に空気が触れる)大気熱処理とは違い、真空状態で熱処理を行うことで母材自身の外観が美しいことも特長の1つであり、「光輝焼入れ」とも呼ばれます。
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